「家出した妻が帰ってきて欲しい」「不倫ドラマ」を朝から見せる母

今日は、母の誕生日。

 

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(無料素材 GATAGより)

 

「何か食べに行こう」と誘うと「いや、ええわ」と一言。

 

「ケーキ食べようよ」と言えば「母さんね、甘いもの嫌いなの。」。今日も、母は我儘だ。

 

「誕生日プレゼント買いに行こう」と言うと「こないだ、誕生日プレゼントっていって数珠買ってくれたじゃないの。」と言われた。

 

そうだ、思い出した。

母の誕生日プレゼントに、葬儀用の数珠買ったんだっけ。

 

弟には「今日、何の日かわかる?」と尋ね「知らん」と言われると、「ハッピバースディですよ!」と嬉しそう。

 

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そんな母は、探偵ナイトスクープの大ファンだ。毎週ビデオに録画し、何度も見るくらい大好き。

 

「あんたにとって、凄く勉強になる話がナイトスクープでやってたんだわ。だから、ビデオ録画しといたよ。」と言われて朝から見る事に。

 

内容は「寂しいので、家出した妻に家に帰ってきて欲しい。」というもので、51歳の旦那と47歳の妻が登場。2人は訳あって別居中だ。

 

妻は旦那への不満を日々募らせ、47歳にして家出する。旦那は、妻の心境の変化に気づかない。

 

「1人で家にいるのは寂しいから、帰って来てくれ」と家でカップラーメンを啜る日々。

 

母はビデオを見せながら「この旦那、ウザいでしょ?奥さん出てく意味わかるでしょ?ほんと、ウザいんだって!」と連呼。

 

思い起こせば、母は最近うちの彼と長時間電話で話をしており、電話を切った瞬間に疲れすぎて無言で倒れ込んでしまった。

 

「どんだけ話すの・・あの子・・全然電話切ってくれないんだけど・・」と、涙目で語る母。

 

思い起こせば、彼は長時間の電話が好きだ。

 

私の場合、彼の長電話が面倒くさくなると電話機を置いてパソコンしたり寝たりしているが、免疫のない母はビックリしたらしい。

 

やがて、ボソッと「うざい・・うざいわ・・うざい・・」と呪文の様に唱え出すようになった。

 

彼に「母に長時間何話してんの!」と叱れば「違うんだって!あんたの母さんが電話を切らせてくれないんだって!だから、僕は仕方なく話してたんだわ!」と言われ、母にそれを伝えると更に無言で倒れ込む始末だった。

 

そんな母は、娘の今後を突然不安に思ったのかもしれない。

 

「この旦那、自分が寂しいからって「赤い糸」って妻の事を思って歌とか歌い出すのよ。

 

まるで自分が被害者で可哀想って感じなのも、また最悪なのよ。

 

多分、自分の事ばかり考えてるからこうなるのよ。」と、言い放つ。

 

やがて、別居した奥さんがタイガーマスクの覆面を被り登場。

「なんで別居しようと思ったんですか」と聞かれると、

 

「新婚当初はね、ほら。一緒に頑張りましょうって感じで家事も凄く頑張ったんですよ私。

 

でも、彼はご飯を作っても「ありがとう」も「ごちそうさま」も言わない。当たり前のように食べるんですよ。

やがて、作り甲斐がないなぁって思うようになったんです。

 

私が風邪を引いても、「僕のことは気にしなくていいよ」と言って心配してくれない。私は「大丈夫?」とか言って欲しいのに。

 

彼は、感謝とか思いやりがないんですよね。

 

そういうのが少しずつ積み重なって、一緒に暮らせなくなって・・で、いま一人暮らししているんですよ。」

 

淡々と語る奥さんは、ボロい賃貸アパートらしき所に1人で暮らしている。

 

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旦那は、エレベーター付きの立派なマンションに暮らしており「いつでも帰って来てくれ」と涙目で待っているのに。それでも「絶対嫌!」と断固拒否。

 

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「うちの彼は、ありがとうもごちそうさまも言えるから大丈夫だよ。風邪引いた時も、ご飯作って看病してくれたんだよ」と言えば「それは結婚前だからよ。結婚したら、豹変するものよ。男なんて。」とフルボッコする母。

 

あと1ヶ月で嫁にいく娘に言える母の思い。それは「男に期待するな」という事だった。

 

「帰りたくなったら、いつでも帰って来たらいい。離婚後の生活も考えておきなさい。」と母は言った。

 

その後、新春ドラマスペシャル「不機嫌な果実」という不倫ドラマを見せ

 

「こんな恋も良いわよね。でも、これは女が綺麗じゃないと無理かもしれないけど。」と隣で語る妻。

 

母と「市原隼人はカッコいいよね。」という話題で盛り上がった頃、

 

「そーいや、うちの彼は昔、市原隼人に似てるって言われてたんだよ」と言うと、

 

「へっ・・どこが市原隼人・・ただのお喋りゴリラやろが。」と失笑する母。

 

ちなみに彼は「お母さん、誕生日おめでとう」と、私にメール。

 

彼の母に対する思いは、どうやら片思いのようである。

 

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