婚活パーティーに行ったら全てが詐欺臭かった時の体験記

2〜3年前。

私が35歳の頃かな。

 

会社に投函されたフリーペーパーを見て「お茶菓子が沢山食べられる婚活パーティー」の案内が記載されていたので参加する事にした。

 

20代の頃は、よくタダでピザやお寿司、ケーキが食べられる恋活パーティーに行っていた。

 

もちろん、男性と特に連絡交換する気もなく、ただタダで食べたいだけ。

 

(というか、連絡交換の紙に書いたアドレスを、正式なものとデタラメなものを分けていた。

正式なものは交換したい人、デタラメは交換したくないのにカードを欲しいという人に渡していた。

今思えば、なんて悪い奴だったんだろうと思う。)

 

この頃、天狗にならずにもっと真剣に婚活しときゃ良かったー。_:(´ཀ`」 ∠):ガクッ。

 

ちなみに、この時に行こうとしたパーティーは流石に30代女子向けのパーティーの為2000円ばかり料金がかかってしまうが、(基本的に、若い女子は参加費が安い)「高級ブランドのケーキ」に目を奪われる。

 

パーティーが開催されるビルも綺麗なので、「こりゃーオシャレなパーティーじゃないの?」と期待に胸を躍らせたバカ女は予約する事に。

 

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パーティーの楽しさ独り占めしたかった事や誘う友達もおらず、1人で参加する事にした。

 

パーティーに行くと、体に合ってないデカすぎるトレンチコート、高いハイヒールに、巻き髪、やたら濃い化粧の40〜50代の女がいた。

 

まさに「全力で老化に逆らってます」と言わんばかりの風貌だった。

 

少し時代遅れのアメリカンなトレンチコートを、「いかにも私ナウいでしょ」って感じで堂々と着こなしていた。

 

一瞬「おばさん、SEX AND CITY見過ぎなんじゃねーの」と思ったが、いや待てよ。もしかしたら、浅野ゆう子意識してんのかもしれない。

 

この人、何目指してこんな格好してんだろと思うと、気になって婚活どころじゃなかった。ちなみに、昔の浅野ゆう子みたいなトレンチコートの叔母さんが婚活パーティーの仕切り役の人だった。

 

やがて、男性がゾロゾロやってきた。すげーな。

 

白髪角刈りの池乃めだか風の男性、完全に引きこもりリア充風のネルシャツの男性、明らかに50〜60代のオジさん、死にかけ人形みたいなキーホルダーをリュックにぶら下げる男性、稲中卓球部で見た事あるような顔の男性・・・

 

これ以降先は怖くて書けない粒ぞろいのメンツが勢ぞろい。

実は、今まで参加したパーティーの中でもワースト1のクォリティを誇るメンツ揃いだった。

 

なんか知らんが、恐怖通り越して笑いが込み上げてきた。こうなったら、ケーキ食うぞ!!

 

やがてパーティーがスタート!

 

「好きな漫画なんですか?」と聞くと「三国志です。」と答えたオジさんがいた。実は三国志に興味あったので、三国志の話題に花開いてた私。

 

オジさん「三国志って、実は凄く奥が深いんですよ。」

 

私「へえ、それは興味深い話ですね!実は、私もレッドクリフの金城さんが大好きなんです。私、イケメン好きなんですよ。」

 

意外と気が合ったみたい。

 

今度は、ネルシャツ男に「趣味なんですか?」と聞くと「まだ売れてないネット小説家を発掘する事です。」と言われた。

 

「どういう事ですか?」と聞くと、

 

「実は、ネットの世界にはまだメジャーになっていない素人のネット小説家が沢山いるんです。

 

僕が、その小説家を発掘するんですよ。この人面白いなーと思う人は、やがて売れるんです。

 

売れちゃうと、なんか悲しいような嬉しいような複雑な気持ちで・・

 

でも、まだ世に出てない凄い小説を見つけると凄く楽しいんです!」

 

「へえー。それなら、私もネット小説連載してますよ。」

 

「ええええ!凄いっ!な、なんてペンネームで活躍されてるんですか!!」

 

「○○○○です。小説家になろうとかに趣味で投稿したりしてました。みた事あります?」

 

「ええええええ!凄い!!ままマジですかぁぁ!!!!」

 

何故かスターを見るような眼差しでみられる私。何でやねん。

 

もはや、ただのリア充同士の会話である。

 

これ婚活パーティーなのに、なんでネットのオフ会みたいなノリになってんだよ。

 

パーティーが始まると、意外と会話を楽しんでる私がいた。正直、誰とでもそれなりに楽しく話せるので、苦ではないかも。

 

やがて、隣に座っていた40代の女性が私に「あなた、偉いわね。誰とも嫌な顔せずにニコニコと話できるなんて。しかも、1人で参加したんでしょう?まだ若いのに。行動力ほんとあるわねぇ。」と褒められた。

 

「いや、別に会話なんか面白かったんで・・」と言うと、

 

「それでも凄いわよ。

 

私、正直何話したらいいかわからなくて頷くしかできなかったけど、貴方はニコニコ流暢に笑顔で話してたから偉いなぁって。

もし良かったら、この後お茶しない?」と誘われた。

 

やがて、婚活パーティーの後に浅野ゆう子似の叔母さんが女子のみ集めて、

 

「結婚相談所なら、もーっとサービズも良いのでオススメです!

私が、ファッションやメイクのレクチャーもしますし!」と言い出した。

 

えー。貴方がファッションやメイクのレクチャーするなんて古すぎて不安過ぎるー。と、心でノリツッコミしながら聞いてた。

 

あとで女子2人お茶会すると、

 

「実は前に一回ここのパーティー来てたんだけど、いつもああいう流れで結婚相談所に巻き込もうとするパターンなのよ。

 

あの人自体(浅野ゆう子)も、本当は一回結婚に失敗してるのに婚活プロみたいに話してるし・・もう私行くの辞めるわ。」

 

「えっ・・それって、なんか詐欺じゃないんですか?結婚相談所の宣伝のためのパーティーって事でしょう?」

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「それが、この業界は婚活パーティーと歌っておきながら、結婚相談所に入会させる為に開いてるパーティーも多いのよ。

 

あの叔母さんの隣にいた女のは、サクラよ。「この人も結婚相談所に入会して、今頑張ってるのよね」って紹介されてたけど、あれ前もそーだったんだから。」

 

「えー!それって、詐欺軍団じゃないですか!てか、何で知ってるんですか!そんな話!」

 

「実は、さっき参加してた人にコッソリ聞いたの。

 

薄々わかってたけど、でもまたパーティーの案内が来て、もしかしたらと思って来たけど、ああやっぱりって思ったの。

あなた、きっといい子だからちゃんと伝えてあげないとと思ったの。

 

でも、貴方と今日会えて良かったわ。こうして、1人でも一生懸命婚活頑張ってる人見てたら「私も頑張らなきゃ!」って思ったの。ありがとう。私も、諦めないで頑張るわ。」

なぜかドトールで、この女性にめちゃくちゃ感謝された。私、ケーキ食いに来ただけで何もしてないぞ。

 

女性は、「また何処かで会ったらよろしくね!お互い頑張りましょう!バイバーイ!」と笑顔で去っていった。連絡先を交換する事もなかった。

 

笑顔、爽やかだった。

いい人だったな。

 

今もあの人元気かなと、ふと思う時がある。