【小説】主婦の憂鬱チクビング物語
おはようございます。
私の大好きな小説ブロガーの方が「あー!小説書いてる人と語りたい!」と、
ブログ上でシャウトしてるのを見て、しかもそのブログのネタが私の大好きなウンコネタで溢れかえっていたんですよ。
きっと、私が最近ブログにて「キラキラブログみてると、たまにはウンコの記事でも書いたらいいのにって思いますよね。」との答えに従順して、ウンコについてブログに書いてくれたんじゃないかって思ったら、こりゃーもう嬉しくて。
そんな大好きなブロガーさんの気持ちに答えたく存じまして、久しぶりにミニ物語書きます。あっ、もちろんフィクションです。
「主婦の憂鬱 チクビング物語」
旦那の給料がもっと上がると思ったのに、今年はマイナス。ただでさえ給料少ないのに、何でここから更にマイナスになるんだよ。
ワナワナ震えながら彼の給与明細を持つ私に、「ご、ごめん。来年は頑張るから・・」と、蚊の鳴くような声で旦那は言った。
「一体、何を頑張るのヨォォ!頑張ったら、給料上がるわけ?
家だって買って!ローンだってね!
こーーんなにあるんだから!!!!」
「い、いや。そんな事わからないけど。だって、俺サラリーマンだし・・。
だから何とも言えないけど・・。
でも、俺頑張るから・・。」
旦那の給料をアテにして、仕事を辞めた私が馬鹿だった。「大手だし、将来も安泰ね」と周囲に言われ、有頂天になったのも束の間の話。
私は、彼の勤務先オーザップスに巨額の負債を抱えていた事をyahoo!ニュースで初めて知った。専業主婦やっちゃうと、外の情報に疎くなるから怖いと思った。
あなたが結婚前に私に語った、福利厚生面は大丈夫なの?退職金は?企業年金は?
彼の働くオーザップスは、このご時世、絶対に潰れる事はないと言われ続けてきた会社だった。
私は、オーザップスの派遣社員として工場に勤務していた。
毎日、私は「ロボットの耳の部品」に、異物が入ってないかチェックし、「ロボット解体」のスイッチを押す係を担当していた。
ロボット解体は、ここでは具体的には言えないがとにかく命懸けの仕事で、一歩間違うと生死に関わる仕事だった。
その為、万が一の事を考えたオーザップスは私に多額の保険金をかけていたという事を知る。「こんな会社辞めてやる」と、一体何度思った事か。
オーザップスは、大手ロボット企業として様々なロボットを製造していた。
しかし、オーザップスが製造したロボットが原因で職を失った人々も沢山いた為、一部の人々からは恨まれる存在でもあった。
2chには、
「事務ロボットなんて作りやがってぇぇぇ!私が長年勤めてた会社で、事務出来なくなったのはアンタのせいヨォォー!オーザップス死ねェェェ!」
「旦那に捨てられ、なけなしのお金をレジのパートで何とか食いつないでいたんです。
それを、オーザップスが奪ったんです。なんで、レジをロボット化などさせる必要があるのでしょうか?
最初は、実家に住ませて貰ってたのですが。
母と母の再婚相手、そして再婚相手の連れ子がキラキラ幸せ家族っつーの?
なんでも、再婚相手が医者みたいなんですよ。で、「海外旅行今度も行くんだけど、あんたらも来る?」とか言われて。遠慮するしかないじゃないですか、そんなの。
だんだん、家にもいずらくなって。それで、実家出る事にしたんですよ。
それから、生活保護を貰おうと思って、市役所に行きました。
「あんた、まだ若いし働けるじゃないの」って言われて追い出されされました。
子供は、まだ3歳。保育園に預けたら、パート代ごとなくなる勢いです。
そんなのやってられないし、やらねーっしょーー。って、元ヤン時代の言葉遣い出ちゃいまして、す、すみません。
さて。
私のような人間は、これからどのように稼げばいいのでしょうか?
私は、とうとう家賃も払えずに家を追い出され、娘と二人公園にダンボールを敷いて暮らしています。
なんかもう、オーザップスさんに人生の損害賠償額を私に払って欲しいと思って裁判所に相談中です。」
どれも、辛辣なコメントばかりで溢れかえっていた。
私は、オーザップス工場に時折見回りにやってくる斎藤君と結婚前提で交際していた。
斎藤君は、開発課担当の有力株。オーザップスなら、福利厚生も退職金も申し分ないし、将来も安泰だ。
そう。私がオーザップスでロボットの耳を作り続ける理由。それは、大企業オーザップスの男に見初められて結婚するためだったのだ。
高卒上がりで、ロクに勉強もせずにフリーターしながら「いつか好きな事で稼いでやる!」と意気込んでいた私は、数年前から副業で始めた魅力アップ道具「チクビング」を開発。
チクビングは、乳首に天然石リングをはめる事で、女性自らのホルモンを活性化させ魅力アップに繋がるといった画期的な商品であるハズだった。
ブログにて、チクビングの魅力を毎日訴え続け、信者を増やした頃に勉強会と称して「チクビングセミナー」を開始。
常に満員御礼の人気セミナーとなった。
「すみません、なんかチクビングつけてたら、乳首からイボが出来てきたんです。」
「チクビングつけてたら、乳首から血が出てきたんですけど。」
信者達から、このような相談も受けた私は
「それは、あなたの体の中に蠢いていたカルマの仕業です。前世のカルマが、あなたの体に残ってたんですよ。いま、その毒素を出しているのです。
乳首流血とは!喜ばしい事なのです!さあ!あなたも喜びなさい!」
みたいな、訳のわからん言い訳を思いつくままにベラベラ話してたら「サクラさん、凄いですぅぅ!私、頑張ります!」って信者続出。
チクビングの売り上げを、そのまま中国株に投資したら資産が数千万越えした私。
正直、別に大企業で勤める男と結婚しなくてもそれなりにやっていけるとこの頃は思っていた。
しかし、その後。私の事業が詐欺だと訴えられるようになり、信者から「金返せ!」ってクレーム続出。
損害賠償額で、中国株で稼いだ金が一瞬で飛んだ。何か知らんけど、クソワロタ。
やっぱ、楽して稼ごうなんて思ってはいけない。
やはり、私みたいな女が一発逆転するには、大手企業のサラリーマンと結婚する事しかない!
よーし!オーザップスで、私!
ロボットの耳作る!
ロボットの解体作業頑張るの!
チクビングの副業やってた頃と比べると、明らかに時給650円の工場作業は肉体的にも大変だし、辛いことも沢山あったけど。
それでも、一生懸命働いている実感がわけた事や、仕事仲間ができた事は嬉しかった。
そして、そんな日々に生きる喜びを実感していた。気づけば、あの頃の私は毎日笑顔だった。だって、楽しかったんだもの。
そして、そんな私を一目見てハマった斎藤君と私は交際をスタート。そして、見事に結婚。
誰もが羨むカップルに・・なる・・ハズだった。
しかし、斎藤君は出世頭こそあるものの、浪費グセと女癖の悪さが祟り、全く貯金出来ていない。
出世頭とは名ばかりで、給料も低くてただの無能たった事を知ったのは結婚してからの事だった。
家事も無理して手伝おうとするけど、余計に手間がかかる手伝い方するので、全く役に立たない。
斎藤君は、それでも優しい。みんなにも優しいのが玉に瑕だけど。
人生とは「こんなはずじゃなかった」の繰り返しだ。でも「こんなもんよね」と思えば、何故かスッと楽になる。
期待すればするほど落胆する事も多いけど、ふと幸せを感じる事もある。
彼の給料は、今後も上がらない所かリストラの可能性もあるかもしれない。
それでも、私たちは共に助け合って生きてゆくのだ。結婚の署名を交わしたあの日から。私も、斎藤君も。そう誓ったんだ。
返品で戻って来た大量のチクビングは、まだクローゼットに大量に埋もれている。
チクビングを久しぶりにふと手に取って思う事。「少なくともあの頃よりは幸せだろうか。」
私は、こうなる事を望んでいたのだろうか。わからない。わからないけど。
ただ、チクビング副業だけは、とりあえず辞めて良かったのかもしれないと思った。
(追伸)
なんか、尻切れとんぼでワケワカメな話書いてすみませんでした。ぜんぶフィクションです。妄想です。すんません。