中国人エステシャンの民間療法を受けた話
体の調子がニッチもサッチもドッチも行かなくなり、中国の民間療法にチャレンジすることにした。
私は現在、中国人が経営する整体と針治療に毎週通っている。体をボキボキすることなく施術を行うので、痛くない。おまけに体に触れただけで内臓の状態を教えてくれるのだ。
「胃や子宮が通常の人より10センチ下に行ってるネー。内臓圧迫しちゃってるー。全部の筋肉引っ張られてるよねー。だから、体痛いデスー。」
内臓が10センチ下?果たしてそんなことがあるのだろうか。
そんなことを思いながら、すっかりチャイナスタイルの神秘に見せられた私。今度は本場中国のカッピングという民間療法にチャレンジすることにした。
しかし、いざお店に行ってみると明らかにホットペッパーの宣伝に出てきたようなオシャレな空間ではなく、オンボロアパートの一室なのである。扉もどこにあるかわからず、お店に電話。
「アー?扉?正面にナイヨー。扉はオモテにナイノネー。裏にアリマース。裏回ってネー。アハハ」
場所聞いても、よくわからない。
とりあえず裏に回ると、寂れた手動式の扉が出てきた。エステのドアはブリキ製で、既に開いていた。アパートの他の扉も空いており、隣はタイの本場古式エステ。どうやら外国人の方々がお店に使っている場所なのかもしれない。
お店に入ると、「アー!やっとキタネー。ハイッテーネー」とニコニコ笑いながら、普段着の中国人女性が迎えてくれた。エステっぽい服着てるのかと思いきや、思いきり普段着だった。
お店に入るなり、カッピングの注意事項の書かれた紙を渡された。
「あのねー。カッピングはねー、中国の民間療法なのねー。
でもねー、火を使うのね。瓶の中に火を入れて素早く動かないと行けないのねー。
でもねー、失敗することもアリマース。失敗するとね、火傷しちゃうかもしれない。それでもいいならヤルよ。失敗してもいいなら、やりまーす。アハハ。火使うからねー。
注意事項みた?全部見てくださーい。」
えっ。店員の注意を聞いて、固まる私。
「うーん。でも、失敗はあまりナイヨー。私プロ!プロダカラネー!」
と言うので「過去に失敗したことあるんですか?」と恐る恐る尋ねたら「うーん。あるよー。失敗したことあるよー。えっとねー、失敗は何度かあるよ。でもねー、ほとんど失敗ないから大丈夫ー。アハハー」
とりあえず、明るい人ってことはわかった。
すっかり怖気付いた私は、「あのう、カッピング怖いのでやめます。かっさマッサージとオイルリンパやってください」とお願いした。
「うーん。わかったー。別にいいよー」ということで、オイルマッサージ→かっさマッサージ(民間療法らしい)→ヘッドマッサージに変更。
施術の腕はめちゃくちゃ上手で、値段も安かったのでコスパは非常に良かったと思う。
ただ、時折セールスの電話がお店にかかってきた時に「セールスの電話、よくかかってくるー。ほんと、予約電話よりかかってくるから迷惑ー。ほんとキラーイ」ってキレていた。
時々「カッピングはねー、本当効くよ?さっき失敗の話したけど、私一応プロ?プロダカラネ?」と念を押してきたので、「そ、そうですよね」って答えていた。
私が断ったことで、彼女のプロとしてのプライドをへし折ってしまったのか心配しながら、無事施術を終えた。
かっさマッサージに関しては、施術終わってから「体が3〜4日くらい赤いと思うけどネー、赤いの引くまで3〜4日かかるから〜。写真撮りましょうか?写真?」というので、「い、いや写真はいいです」と断った。
カッピングの失敗ネタだけじゃなくて、こっちの施術後の説明も必要じゃね???
↑背中の一部
このくらい赤くなります。
しかし、何だかんだで「また来てねー。よかったら、カッピングしてねー。アハハー。」と、笑顔で送り出してくれた。
施術の腕は確かだったので、また行っちゃうかもしれない。